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「ラルド、ご飯よ」
あれから一年たった。
「ああ、今行く」
なぜかあれからご飯を作らせてくれなくなったエルファ。
あれか、卵少し焦がしたからか。
二人で向かい合って食事をする。
ちらりとエルファの様子を伺う。
「なぁエルファ」
「なぁに?」
「引っ越そうと思うんだ」
は?
見事にそんな言葉がふさわしい反応をしてくれるエルファ。
あ、フォーク落ちたぞ?
「実はずっと思ってたんだ。挨拶しないとって。だけどなかなかタイミングがつかめなくて」
「ちょ、ちょっと待って。挨拶って誰によ?私にはそんな人誰も居ないって言ったじゃない」
あたふたと言葉を返すエルファにどうしてやろうかと考える。いつもと形勢逆転だな。
「いるだろ?"お父様"が」
「なんで知って……まさかラルド、日記を」
「ん?まぁ、なんだっていいだろ。とにかく街に引っ越す。色々準備がいるからまだ先になるけど」
昔、魔法で心読みましたなんて日記読みましたより達が悪いので言わない。
横でワーギャー言っているエルファを横目にこれからの生活を想像する。
街にでたらきっとエルファはモテるんだろうな。男が群がるのは間違いない……あぁ、それは腹立たしいな
もしそんな男が居たら、うわ、冷静になれる気がしない。
そんな事を考えていた。
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