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だが、そんなことをしたところで俺の一撃が相手にあたることはなかった。
横なぎにしようとした木刀は相手の振るった一撃に弾き飛ばされ、続けて腹に木刀を叩き込まれる。
「ぐあっ!?」
耐え難い腹の鈍い痛みに耐えきれず、膝をつく。
間髪入れずに顔面に学校指定の上履きがめり込む。
あとは倒れこんだ俺を取り巻きと共に袋叩きにするのみだった。
「ははっ! 赤目が! 俺に! 口答えすんじゃねぇ!!」
卑劣な笑いによってか、腹部に受けたダメージのせいかは知らないが、激しい吐き気を催した。
ちくしょー……
ここで吐いてたまるか!
なんとか意地で嘔吐を堪えた。
「さあお前らー、席付けー」
そこに担任教師がやってきた。
偶然彼と目があったが、当然のようにそらされた。
いじめ容認かよー。
やってらんね~。
「今日はこの辺にしといてやるよ。 明日も楽しみにしとけ、ハハハッ!」
そうして奴は取り巻きと笑いながら自分の席に戻っていった。
「てて~……やってらんね~」
誰にも聞こえないくらいの声でそう呟く。
もう仕方ないと自分でもこの差別を受け入れてしまっている。小さい頃からずっとこんなだし、こんな生活以外したことないから人並みの幸せなんて知りはしない。
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