嫌われ者で落ちこぼれ

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そんなこんなで授業が始まる。 この前の世界史の授業は最悪だった。 世界史の授業は俺らが住む『アルテジア』の歴史を学ぶ。 この世界に根付く“魔術”の起源、魔術の創始者や国家の起こりなどを習う。 「んじゃまずこの前のおさらいからやるぞー。 58ページ開けー」 おさらいかよ!? またあの最悪の授業の再来か…… てかあの教師わざとやってんのか? 質悪すぎだろ…… 「それじゃジュイス、この前の授業で何したか答えてみろ」 「はい。 確か……アルテジア史上最悪の大罪人バレル・ゼノンのことについて習いました」 ジュイスは難なく解答する。 バレル・ゼノン。 その名が出た途端、視線が俺に一気に集まる。 あのクソ教師、絶対確信犯だ。 「それじゃあアルス、大罪人バレル・ゼノンはどんな罪を犯したか答えてみろ」 「えーっと確か……一国の人間を炎の魔術で皆殺しにした……だっけ」 アルスも難なく答える。 いい加減うんざりしてきた。 ブチ殺してやろうかあのクソ教師! 「それじゃあ……アラン、バレル・ゼノンの身体で一番特徴的なところはどこか……答えてみろ」 殺す。 ブチ殺す。 自己紹介が遅れた、俺はアラン・ヘクタル。 クソ教師は下卑た笑いを浮かべ俺を見下ろす。 周りの奴らも俺を見て笑ってやがる。 俺がいない時に学校に隕石落ちてきて全員死ね。 「バレル・ゼノンの特徴は赤目だよ!! 俺とおんなじだ! 満足かクソ教師! 死ね!」 我慢の限界だ。 そのまま怒鳴った勢いで教室を出ていく。
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