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胸くそ悪い。
教師まであの様だと正直もうどうしようもない。
「クソ……それもこれもバレル・ゼノンのせいだ。 クソッ」
当たっても意味のない歴史上の人物に八つ当たりしてみた。
そんな虚しいことをしながら、立ち入り禁止の札の張られた階段を気にせず上り、屋上を目指す。
屋上の重いドアを開くと青い空が視界を埋めた。
「俺もお前みたいに青かったら嫌われずにすんだのかな……」
空にそんなこと言ったところで返事はない。
当たり前か。
「お前は綺麗なのに、なんで俺の目はこんなに醜いんだろうな」
忌々しいこの赤い両目を閉じて自虐的な言葉を空に投げた。
「そんなことないと思うけどな、綺麗だと思うよ? アンタのその瞳」
「メーアか。 授業中にこんなとこいていいのか?」
「それ、アンタが言えたことじゃない」
もっともだな。
てかメーアがここに来たのも俺のせいだしな。
「俺の目が綺麗ってか? そんなこと言ってたらお前まで嫌われるぜ? てか追ってきた時点で多分反感買ってるとおもうけど」
赤目の俺に関わればロクなことはない。
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