嫌われ者で落ちこぼれ

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「アンタさぁ……その態度やめよう? 私はアンタの赤い目が好きだし、少なくとも私とマークはアンタの味方だよ? アンタがそんな態度してたら私たちは悲しいよ……」 いつも強気なメーアは珍しく落ち込んだように俯いていた。 なんで俺ごときのために落ち込んだりするんだ…… マークも同じように落ち込むのかな? アイツは内気なやつだから俺がこんなことを言っていたらすぐ落ち込んじまうだろうな…… 「俺はただお前らまで嫌われ者になるようなことにはなって欲しくないだけだ。 そんなの俺は耐えられない」 目を閉じたまま話す。 今この目を開くのが怖い…… 「いいやつぶんな! 私たちはアンタにそんな心配してほしくて一緒にいるんじゃないの! ただいたいからいるだけ! アンタといるだけで私の事を嫌いになるような奴らなら私は嫌われたってかまわない! マークだってきっとそう思ってる!」 荒れている。 度々、気の強い彼女は俺を叱咤する。 でもなんだか今日はいつになく語気が激しい。 「俺だってこんな目じゃなきゃお前らとただ一緒にいるだけでいいって思えるよ! でも俺はこんな扱いだ! いつだって侮蔑がつきまとう……それにお前らを巻き込みたくない。 わかってくれ……」 本当の奥底の本心だ。 なんでわかってくれない!! 「もういい……もういいよ。 所詮、アンタは私たちを本当には信じてくれない。 もういいよ……」 なんだよ……俺が何もわかってないような言い方しやがって…… ふざけんな!!
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