一 そして、過去へ

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今日子は急遽、始発の新幹線こまちで上京した。 発見後の救急の処置で、かろうじて一命はとりとめた。 が、その後、闇は明けて晴れてゆくことはなかった。 一点の光も見えなかった。 泣けど叫べど反応してくれるものはなかった。 今日子は、ただ一人、そこに、じっとうずくまっていた。 そして時折、余りの苦しさに手探りしながら悲鳴を挙げていた。             
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