そして私はさ迷って

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クレアは火の魔法が消えた事で理解したのか、私と反対の方向の森の中へと走りだした。 (回避するという意味での判断は良いな。森の中なら私も速さも生かしにくく、真空を逆手に取って奇襲もしやすい。でも…追いかける必要ないよな…) 私は杖を持つと、ローブ内の鎖を一本にし、先端を刃物に変えて金属探知を頼りにクレアを可能な範囲で追わせる。 そして、真空の空間の効果範囲をクレア周辺に限定し、クレアが真空外に出たら、風の探知を利用し、真空の空間を形成しなおす。 そうして、追いかける事なくクレアを徐々に追い詰めていく事にした。 (そろそろか) 徐々にクレアが真空空間から出るペースが遅くなってくる。 それを見計らって、周囲の他の生き物を巻き込まないように、より広範囲に真空空間を広げる。 (なかなか頑張ったな) そうして、クレアと思われる金属反応が動かなくなるまで放置すると、先行している鎖で巻き付かせ、その反応を頼りに徐々空気を戻しながら、私も向かう事にした。
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