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「猫を見ませんでしたか?白に黒い模様が少しある…」
小さい胸を上下させて、早口で女子高生は言った。
その猫はたまに開けっぱなしの窓から僕の家に入ってくることがあった。僕はその度にミルクを少しあげた。猫はそれを一切飲まず。しばらく窓際のテーブルの上でうずくまり、気づいたらいなくなっていた。
隣の家の人はどうやらそれに気づいていたらしい。たまに会うと僕のことを少し変な目で見るようになった。
噂話の好きな中年のおばさんたちが息子の通っている学校の評判の悪い頼りのない若い教師を見かけた時のような目で。
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