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朝、俺はいつものように優花が作った朝食を食べて鏡の前に立つ。今日も髪より、眼鏡より、ザ・ネクラスタイル! これは俺の嫌いな女顔を隠すのに最高のスタイルであると共に、白雪だとバレないための変装でもあるのだ。 「行ってきます!」 「行ってらっしゃい、お兄ちゃん」 優花に見送られて俺は徒歩で学校に向かう。俺の学校は徒歩で十分くらいの所にあるからだ。 満員電車とかには乗りたくないから、徒歩で行けるのは楽である。 「おーい、真白!待てって!」 「瑞希」 「一緒にいこうぜ!」 俺の横でニカッと笑うこの男は宮坂瑞希。明るい茶髪でスポーツマンである。しかも勉強も出来る人気者。 そんな人気者が俺という地味な奴と仲が良いというのは、どうも目立つ。 「瑞希、俺とじゃなくて他の奴と行けよ」 「いいだろ?俺達は幼馴染みなんだし」 「そうだけど…」 そう、俺達は家が隣同士の幼馴染みだ。だから小さい時からずっと一緒にいて、俺が白雪だと知っている。 つまり俺の女顔を知っている人物で、散々俺のことを「可愛い」だの「真白ちゃん」と言ってからかわれた。 「そう言えば、今日転校生が来るらしいぜ!」 「転校生?」 「そうなんだよ」 もう少しで春が終わるこの時期に転校なんて、大変な転校生だな。 「どんな奴なんだろうな」 「どうせ、話さないと思うけどな」 この後、苦痛の日々が始まる事を俺はまだ知らないでいた。 .
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