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授業が終わって放課後になると、俺は誰よりも先に学校から出て行った。 電車に乗って大都会にある事務所に向かい、事務所のビルの前にいる警備員に睨まれながら中に入る。 白雪だとバレると面倒くさいから、止められないだけマシだ。 「真白!」 「あ、伊織と如月さん!久しぶりです」 「久しぶり。真白は今日撮影だったな」 伊織と如月さんは何処かに出掛けるのか、軽く変装をしていた。 そう言えば昨日、伊織がメールでドラマに出ることになったと言っていたから、その打ち合わせだろうか? 「葵、真白ピン?」 「いや、今日は新商品の香水の撮影だから男とだ」 「マジで?僕の真白が狙われるのは嫌だなぁ」 「おい、伊織!」 俺より少し大きい伊織が抱き付いて来て、俺の頭に頬擦りをした。 しかし抱き締められた窮屈感がすぐに無くなって、伊織は如月さんの腕の中にいた。 「葵、嫉妬?だから言ってるじゃん、真白は弟のようだって」 「それでも、お前は俺のだろ?」 事務所の中だというのに構わずイチャつく二人は会社内では有名なカップルだ。 初めて教えてもらった時は驚いたが、二人がは凄く似合いだし、偏見とかはないから素直に受け入れられた。 「二人とも時間は大丈夫なんですか?」 「あ、葵行かなくちゃ!」 「そうだな。真白、何かあったら連絡しろよ?」 「心配しすぎですよ」 俺は二人を見送って、母親の待つ化粧室に小走りで向かった。 .
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