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『なんだ、おまえ。どういうつもりだ』
ヤンキーは少年の胸倉から手を離し、鷺を睨みつけた。
『おまえ等は金が欲しい、俺はそのガキに用がある。お互いにメリットがある話だと思うが』
『確かにてめえの言う通りだが、このガキにそこまでの大金を払う価値があるとは思えねえな』
ヤンキーの中のリーダー格のような男が鷺の手に持っている万札を見ながら腑に落ちないと言いたげな表情をしている。
『別にたいした額じゃない。まあ、本当のことを言うとだ、俺の父親はそいつの学校の理事長だ。親父に貸しを作るにはちょうどいい機会だと思ってな』
『なるほどな。だが、こっちもせっかく見つけた金ズルだ。このまま見逃すのは惜しい』
『ここに俺の携帯の番号が書いてある。また、欲しくなったら連絡すればいい。これでどうだ?』
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