他愛もない嘘

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鷺は携帯電話の書いた紙切れを万札にプラスして差し出した。 『悪くねえな。じゃあ、これは遠慮なく貰ってくぜ』 リーダー格の男は万札と電話番号の書いた紙切れをひっ掴んで奪うような形で取った。 『じゃあ、またな』 ヤンキー達はぞろぞろ路地から出ようと歩き出したが、一人の男の足が止まった。 『待てよ、この携帯番号、嘘じゃねえだろうな?』 『嘘だと思うならかけてみればいい』 余裕の表情で鷺はズボンのポケットから携帯電話を取り出して一人のヤンキーに向かって放り投げた。 リーダー格の男が携帯電話を取り出して、その紙切れに書いてある電話をかけると リンリンリンリン!! 鷺が渡した携帯から昔懐かしい黒電話の着信音が路地中に鳴り響いた。
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