他愛もない嘘

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『えっ?こんな大金貰えないですよ!』 いきなり渡された大金にビビって少年は足を震わせ、万札の束を高価な宝石のように慎重に持っている。 『阿保が、よく見ろ』 鷺に言われ、万札を恐る恐る上下左右から見ると不思議なことに気が付いた。 『・・・あれ?諭吉さんの後ろが真っ白』 そう、万札に描かれている福沢諭吉の裏側が全て白紙だったのだ。 『それ万札風メモ用紙。ドンキで売ってたから面白いと思って買ったんだが、こんなとこで使えるとはな』 『これじゃあ、あいつ等すぐに引き返して来ますよ!!』 焦りと不安で少年は落ち着かないのか表の通りを見つめている。 『心配するな、あいつ等に渡したのは更にそれに俺が手を加えた特別仕様だ。自販機に突っ込まない限り気付かれることはない』
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