他愛もない嘘

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『特別仕様?』 『本物と似たような紙に印刷したのさ。手触りだけじゃわからないくらいそっくりの紙にな』 鷺は財布からヤンキーに渡した物と同じ万札を取り出して少年に渡した。 『それでも、白紙ならなら気付きますよ!』 少年は受けとった偽札をまじまじと見て答えた。 『阿保、その為に携帯番号を書いた紙を万札の白紙部分に重ねて渡したんだ。携帯番号を書いた紙を逆に厚めのメモ用紙にすることで、触れた瞬間に軽い錯覚を起こす。しかも、メモ用紙のサイズは万札と同じ大きさにしたから、万札の白紙部分が見えることはない』 『じゃあ、百歩譲って偽札に気付かなかったとしても、バレない為とは言え、携帯番号なんて教えて大丈夫なんですか?』
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