二踏:力と代償

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風の音が静かに部屋を流れる。 「最初に言うと、まだ緋影は代償を失っていないの。」 「・・・?」 「だけどこの契約で代償は成立してしまう。そう・・・一人の時間を失うの。」 緋影にはわからないことばかりだった。 しかし、一先ずは話を聞こうと黙っていた。 「今から少し長くなるけどしっかり聞いててね」 その言葉に緋影は黙って頷く。 「まず契約するとね色々勝手がかわるの。一つは、私と緋影が一定距離離れられなくなる。これが、一人の時間を失うってことなの。もう一つはさっき言ったけど、契約を実行したほうは少し人間に近くなり日光も大丈夫になるの。そのかわり吸血鬼としての力も低くなる。そして、契約されたほうは今まで通り日光を浴びれない。だけど契約された側も力は低下するの。普通は契約は実行した側のほうが立場は上になる。もう一つは契約はどちらかが死なないと解除できない。だけど一時的解除は可能。簡単にある程度省略して話すとこんな感じかな。」 夢緋は喋り終えたあと、ふぅーっとかわいらしく息をついた。
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