二踏:力と代償

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「・・・俺今までキスなんてしたことなかったのに、今日だけで二回もだと!?」 「私も・・・今日が初めてだょ」 「・・・がはっ。そういうこと言うのやめろ。」 「・・・優しくしてね?」 「あざといわ!全てわざとか!」 「・・・ちっ」 「おまっ、今舌打ちしたな!」 完全に契約がどうとか言う話しではなくなっていた。 時間帯はお昼。 ここに初対面で口喧嘩をしている吸血鬼が二人いた。 「まぁ遊びはこれぐらいにして契約しよっか。」 「あぁ、そうだな。」 ここで緋影は気づいた。 これは夢緋が自分自身の緊張を振り払うための行動だった。 いくら吸血鬼といえど女の子、キスという行為は安易にできるはずがない。 「夢緋・・・ごめん。ありがとう」 「あは♪緋影は優しいね」 「夢緋ほどじゃないさ」 そう言って契約の言葉が書いてある紙を広げる。 「いいか?」 「いつでもOKだぉ♪」 ・・・あざとい。
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