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下駄箱につくと、靴を履き変えた。
そのときだった、影から如月夢緋が出てきた。
「おい、バカか!誰かに見られたらどうするんだ!」
緋影は靴をしまってから怒鳴るようにして言った。
「大丈夫だよ、ちゃんと誰もいない瞬間を見計らってでてきたもん」
自信に満ちた笑顔で言ってくる夢緋に対して、緋影はため息をもらした。
夢緋は建物や太陽の光が少ないところなら出てきていて大丈夫らしい。
ある程度の日光なら大丈夫だとか。
「まったく・・・俺から離れるなよ。」
「離れられないよ♪」
「・・・そうだったな」
少し忘れかけていた。
またため息がでた。
「ため息ばっかりついてると幸せが逃げていくよ?」
「ほっとけ」
「それとね。」
いきなり夢緋は真剣な顔をする。
「ん?」
緋影は制服の一番上のボタンを外しながら夢緋の話に耳をやる。
「この学校にも力・・・ギフトを受け取った人が結構いるみたいだよ」
「!?」
ギフトとは力のことだ。
緋影でいうギフトは吸血鬼の力。
つまり夢緋が言いたいのは、緋影のようにあいつに何らかのギフトを貰って、何かを代償にした者がこの学校に結構いるということだ。
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