一踏:始まりの夜

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「どうするんだ?」 『何か』が聞いてくる。 力と代償・・・まるでアニメみたいな展開だな。 待てよ・・・? 「なぁ断った場合どうなるんだ」 「クックック・・・お前は中々鋭いな。こんなことをしられたんだ始末するさ。お前とその家族もな」 その瞬間、緋影の目つきが変わった。 それは今までの拍子抜けた目ではなく、殺意の宿った目。 緋影には親はいない。 家族は妹と姉だけだった。 「・・・俺の妹と姉に手を出してみろ。地獄から這い上がってでも殺してやるからな・・・」 妹と姉とは別暮らしだ。 高校に入るときに緋影が家を出たからだった。 もう結構な時間あってないが、緋影は妹と姉を大切に思っていた。 この時点で緋影の答えは一つだった。 「力をくれ」 どちらにしろ緋影はこっちを選ぶつもりだった。 さっきは家族を出されて取り乱したが、答えはどちらにしろ決まっていた。
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