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「・・・俺、吸血鬼になっちゃった」
緋影は再び苦笑で言った。
「あなたは名前なんていうの?」
金髪少女が顔を覗き込んでくる。
もう色々なことがありすぎて何が何かわからなかった。
「俺は如月緋影・・・今日吸血鬼になったみたいだ」
「緋影・・・よろです!」
敬礼のポーズで元気よく言ってくる。
なんか変わった子だ・・・
ってかお前は名のならないのか。
そんな緋影の視線に気づいたのか金髪少女が口を開く。
「私は夢緋っていうの!」
「夢緋か、名前だけ?苗字は?」
「ううん、生まれながら吸血鬼の私は名前しかないんだぁ!」
どこか少し悲しそうな笑顔でいう夢緋。
苗字が欲しいのだろうか。
べつになくても困りはしないが、やっぱり大事なものだからかな。
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