ただいま帰りました。

4/5
前へ
/188ページ
次へ
―――――――――――――――――――――――――――― ――――――――――――――――― ―――――――――― 着いた宿は椿屋。 緋翠「ここはまだバレていないんですか?」 九一「あぁ。 だがもうじき、嗅ぎつけるだろうな。」 緋翠「鼻はとてもいい連中ですからね。」 二階の部屋へ入ると一番に目に入ったのは… 栄太郎「いい加減起きなよ、このバカ牛。」 バカ牛、晋作がいた。 緋翠「…これ、何があったんですか?」 九一「昨夜、晋作が酔っ払って島原より帰ってきた。 その時に部屋を間違えて入ったのだ。」 ……その間違えて入った部屋の主については聞きませんよ。 晋作をこんなふうにできるのはあの人しかいませんからね。 栄太郎「なに。」 緋翠「…なんでもない。」 晋作、就寝中のこの人の部屋に入ったらダメでしょう。 壁にヒビが入ってますから大方、投げたんでしょうね。 そして運悪く頭を打って気絶…と。 緋翠「……馬鹿ですね。」 九一「昔からだ。」 ……さり気なくひどい。
/188ページ

最初のコメントを投稿しよう!

611人が本棚に入れています
本棚に追加