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緋翠「聞き、ますよ。」
ふと表情を暗くした緋翠に優しく笑いかけた。
いつもの俺の意地悪な笑顔じゃなくて、緋翠にだけしか向けないような笑顔。
栄太郎「緋翠は、俺のことどう思ってる?」
まずはこっから。
だって、なんにも思っていないなんて後から言われるのは嫌だからね。
緋翠「どうって、どう思うんですか。」
まあそうだよね…
緋翠「栄太郎はどうなんですか。
栄太郎も、僕のことはもう要りませんか?」
…ああ、そうだ。
この子は自分の存在価値を求める子だ。
昔と変わらない…
栄太郎「いいや、そんなことないよ。
むしろいてもらわないと困る。
君は俺の大事な子だから。要らなくなるなんてありえない。」
目を見開く緋翠は震える声でつぶやいた。
緋翠「僕は、必要…なんだよね?」
栄太郎「当たり前だよ。
これからは俺が緋翠を必要とするから…
だから、ずっと一緒にいてくれる?」
さらに目を見開く緋翠。
緋翠「…なんで、」
栄太郎「好きだからでしょ。」
あっけらかんと答えた。
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