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緋翠「…僕は、気づきたくなかった…。」
栄太郎「何を?何に対して?」
緋翠「…栄太郎への、気持ち…」
今度は俺が目を見開く番になった。
だってそれは、聞いている俺には…
好きだって聞こえるから。
緋翠「でも、栄太郎は僕のことをきっと見ない。そう思ってたから…」
栄太郎「だから、ずっとその感情に気づきたくなかった?」
緋翠はただ頷いた。
ああ、それならきっと俺のせいだ。
緋翠の過去を知っていながら、感情が乏しいことを知っていながら…
俺がそう思わせたから彼女は自分の気持ちに、感情に蓋をしたんだ。
栄太郎「ごめん、俺がもっと早く言えばよかった。
ずっと好きだったのに今の関係を壊したくなかったから…」
緋翠「栄太郎、もういいんです。
僕もいうのが怖かったから。だから、これで終わり。でしょう?」
栄太郎「そうだね。」
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