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そんな店の中央には、豪華な着物を着た美しい女性が足を崩し、煙管を吹かしながら退屈そうに街行く人々を見ている。 【梅里屋】の主人、柏木梅(かしわぎうめ)。 見た目は二十代前半頃に見えるが、齡(よわい)二百を越える化け猫。 梅は気紛れな性格で、仲が良いお気に入りの友人達には無料で情報を流す。 だが、好かない新参者や他人には情報を流す変わりに高額な料金を貰う。 後ろ髪が短く、桃色の髪で左右の髪が肩まである長さ。 申し分無い見事な体つきに、着物を着崩して着ており訪れる客を魅了させている。 だが、桜は決して色を売らずあくまでも与えるのは情報のみだ。 「梅様!!庭掃除終わりました!!」 そこへ少年が元気良く駆けながら梅の前にやって来た。 紫色の肩まである髪を一つに結わえ、茶色の着流しを着た小柄な少年。 草むしりでもしていたのか、両手には泥が所々着いている。 小吉(しょうきち)。見た目は十代後半頃に見えるが、齡八十を越える化け猫。 かつて、人であったが飢え死にしても死に切れず妖怪となり、さ迷っていた所を梅に拾われた。
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