ネオンに咲く傷ついた蝶々―1―

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童顔なのもあるが このメンバーの中では 一番若いと言うことが分かる。 それからどうでもいいが やけに密着して話してくる。 パッと見苦手なタイプだったが でもなんでだろう 一瞬胸が高鳴った気が、した。 …これがキャバクラ嬢零との出逢い。 呼び出し音が数回なったところで 「はい…もしもし」 明らかに元気のない零が出た。 『零?今どこ?』 ケラケラと笑う声が聞こえる。 その声には全く覇気がなかった。 「な~いしょ、あははっ」 だけど彼女は あくまでも平然を装う。 (アホ…僕には分かるのに) 『何があったの?話して?』 ずいぶんと長い間が空く。 沈黙に耐えられず口を開こうとすると 「……彼氏に、捨てられちゃっ…た…」 頭を鈍器で殴られるような一言が。 (やっぱり彼氏居たのか) 『…今どこ?場所教えて?』 正直ショックだった。 でも今は彼女を 「○○駅」 なんとかして助けなければいけない。 『そこ動かないで、いいね?』 何故なら受話器から聞こえる声が 「…うん…」 『今からすぐ迎えに行く』 すぐにでも 消えてしまいそうだったから。 電話を切ると 僕は荷物も持たずに家を飛び出した。
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