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案の定、不毛な話だった。どちらが正義かで、どちらも一歩も譲らない押し問答だった。堂々巡りになる双方、やがて争いごとに発展する、葉樹はこの争いでの街の被害を考え頭を押さえていた。
双方は外れて欲しい予想を裏切らずに暴れ出し、周囲の建物やアスファルトを壊して行く。銃を撃つ自称戦隊、しかし当たらず、当たっても弾かれ、剣を振っても同じことだった。
対する殺戮正義は無手で応戦し、避ける戦隊を打ち損じて壁を壊しアスファルトを剥がす。葉樹はその様子を見て、これ以上被害が出ないよう、双方を止めようと立ち上がるが、リーズに止められた。
「あたしに任せて貰えないか?」
何かを思い付いたように微笑むリーズ、葉樹は彼女に任せ、様子を見る。リーズはまず氷の戦車を作る、氷の馬は四頭で馬車は二輪、車軸には鎌の刃が取り付けられており、搭乗者の下半身は馬車と一体化していた。
リーズによって作られた搭乗者、その腕は三対六本で、手は武器を握っている。
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