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殺戮正義は思案顔になった後、真面目な顔付きで告げる。
「ならば俺は、お前を悪と見なそう」
言い終わると同時に距離を詰め、蹴りを放って来る殺戮正義、葉樹はそれを手で受け止めながら告げる。
「自分の正義に当てはまらない物を、拒絶するのはお門違いだと思うぞ、正義は少しばかり寛容じなきゃな」
葉樹はそう言って、受け止めた足を掴んで投げ飛ばす。殺戮正義は体を反転させて足から着地し、それを見ながら葉樹は更に続ける。
「まあ、流石に度を超せば矯正せねばならんがな、それに、正義といってもそのほとんどは所詮偽善だ」
その言葉に殺戮正義は声を荒げ、葉樹に拳を打ち込む。
「違う!俺の正義は絶対だ!偽善などでは無い!」
葉樹はその拳を受け止めながら、嘲るように言う。
「盲信は禁物さ、物事を見極める障害になるからね」
地面から蔓を生やす葉樹、蔓は殺戮正義の四肢に巻きつき、葉樹は殺戮正義の腹に渾身の一撃を放つ。
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