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蔓は千切れ、殺戮正義は宙を舞って地に落ちた。舞い散る砂埃、葉樹が油断せずに様子を窺っていると、砂煙を上げながら殺戮正義が立ち上がった。
「まだだ、まだやれる」
浅い傷を負いながら立ち上がって告げ、突進して来る殺戮正義。葉樹はやはりかと思う、手応えはあったが、あれっぽっちで殺戮正義が気絶するはずが無いとどこかで確信していたのだ。
殴りかかってくる殺戮正義、それを避ける葉樹は殴り返そうと手を伸ばした、その時袖を掴まれ一本背負いを喰らう。受け身は取ったが力が強すぎたのか傷を負う葉樹、服の袖は千切れかけ、面には罅が入っていた。
葉樹は瞬時に袖と面を補修し、殺戮正義と殴り合う。それから時間が経ち、軍配は葉樹に上がる、倒れて肩で息をする殺戮正義は葉樹に告げる。
「久々に楽しかったぞ」
葉樹はその言葉に殺戮正義の四肢を縛りながら返す。
「それは良かった、そのうち会いに行くからな」
そう言った後、葉樹はどこかへ連絡を入れた。
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