初めての実践

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街中で自称戦隊が恥ずかしい名乗りを上げている。そして赤いのがポイ捨てをした通行人を指差し、言葉を発した。 「出たな悪党め!その平然とポイ捨てをする心、我らが成敗してくれる!」 人通りの多い歩道に五人が横に並んで立ち、合体技を放とうとする、人々はいち早く危険を察知し、蜘蛛の子を散らすように逃げ、標的にされた人は足が竦んで動けなかった。 犯罪などそう簡単に起きることもなく、暇な彼らは些細な迷惑行為に全力で取り組むことを決め、最初の被害者を作ろうとしていたのだ。 「悪を倒すは我らの役目!」 そう言って両手を突き出す赤いの両肩に左右二人ずつの手のひらが置かれ、もう片方の手は肩に置いた手の二の腕を持っていた。やがて赤いのの突き出した手の間に白く輝く丸い球体が現れ、赤いのが放とうとした。 膨大な熱量を持つそれを人に放てば、まず命は無いだろう。そこへ乱入者が現れ、赤いのを殴る、赤いのは突然のことでコントロールを失い、白く光る球体は暴発し爆発した。
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