勧誘

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青々とした木々、緑の草原、その中には迎えの車があり、葉樹は青年から変身装置を受け取り、それを置いて、皆で荷物を運びにかる、ちなみに家電は寮に常備されているので荷物には無い。 そうして荷物を運び終わり、扉を隔てて立つ葉樹と青年。 「親御さんに別れの挨拶はしたか?」 軽い口調で葉樹が言うと、青年ははにかんで言う。 「うん、事後承諾に近いけどちゃんと言ったよ。まあ、引きこもりだったから喜ばれたけどね」 そして別れ際、葉樹が扉を閉めようとした時に、後ろを向いた青年が思い出したように振り返り、興味深いことを呟いた。 「出来れば、青の人も勧誘した方が良いかも知れない、素性は知らないけど、好きで戦隊に入ったわけじゃ無いと思うんだ」 その言葉に頷き、今度こそ扉を閉める葉樹、扉は閉まりきると、下から徐々に薄くなり消える。それを確認した葉樹は、変身装置を床に転ばして踏み砕き、そして、幹部三人と早急に廃ビルを出て行った。
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