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面接へ行くと二つ返事で採用され、泣いて喜ばれた。何が何やら分からぬまま映像を見せられることになり、そこに映っていたのは、それぞれ赤、青、黄、緑、黒の全身タイツを着た自称戦隊。
自称戦隊は引ったくりであろう男に向かって、必殺技の光線を放つ。男はそれを喰らって瀕死の重傷を負い、光線は男の延長線に建っているビルに風穴を空け、その後ろの民家数棟を木っ端微塵に吹き飛ばした。
正に蹂躙と呼べるような光景を見て、葉樹は苦笑いし自称戦隊が聞いて呆れる、と思った。
「やってくれるね?」
面接官の最終確認に返事をし葉樹は質問を一つ問いかける。
「相手に危害を加えても良いのですか?」
その問いに面接官はニッコリと笑い口を開く。
「殺さなければ良いですよ」
そう言った彼は笑顔なのに目が笑っていなかった。余程奴らに辛酸を嘗めさせられたのだろう、面接官は自称戦隊の情報を葉樹に渡し、部屋を出る、葉樹もそれに倣って部屋を出た。
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