護人の標的

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◎シルヴィア・エルドラド 国籍不明 フリーの傭兵らしい。 「たしか、仕事でモロッコに行くと言っていたなぁ。列車の時間は……もう過ぎちまってるな。」 『ヤベェ!しくじった!』 掌と拳をバチンと鳴らすと、すぐに店を出ようとした。 「待ちな。レノス、店の裏のバイクを使ってくれ。 心配すんな、どうせただ飲みした客から分捕ったもんだ。」 マスターは、バイクのキーをカウンターの端から滑らせてレノスに渡した。 『すまねぇな。』 「なぁに、女は捕まえとかないと逃げちまうぜ。」 『バカやろう、俺の女じゃねぇよ。この仕事が終わったら付けを全部払うぜ。』 「お前がそう言うときは決まって金貰えないんだよなぁ。 期待しないで待ってるよ。」 『じゃあな!!』 バイカーゴーグルをつけ、店の裏のバイクにまたがると、レノスは街の外に向かって突っ走った。
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