序章

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「……ひどいな。まあいい。話を続けよう。つまりだね、人は素晴らしいし気持ち悪い生き物だってことだよ。素晴らしい人がいれば気持ち悪い人もいる。極端に言えば生きるべき人がいれば死ぬべき人もいるってことだ。さて、そろそろ本題に入ろうか」 最初から入っとけよ。 「私の依頼は、私にとっての死ぬべき人を殺してほしいんだ。君にとっての死ぬべき人はいるかな?」 「俺に聞いてどうする」 「会話をしようよ。君は妹の星々(らら)ちゃんとはよく話をするのになんで他人とは会話をしてくれないんだい?」 「俺は電話が嫌いなんだよ。お前とだって直接なら普通に話すさ」 「……そうか。それなら依頼を電話のみなんてことやめたらいいじゃないか」
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