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毎週水曜日を除けば、私の生活は以前と変わらない
いや、もう既にあの水曜日すら私の日常になっているのではないか
あの日から私の首筋から消える事のない印を見つめ、そんな事を思っていた
「…ねぇ、璃羅?いい加減それの説明してくれない?」
私は小さく溜め息を吐くと 鏡越しで彼女を見た
「何、萩原、そんなに気になるの?」
萩原紅葉(はぎわら もみじ)
幼稚園からあの学校で一緒の私の友人である彼女は、時々こうして私の家に遊びに来る
学校では苗字にさん付けだけれど、学校を出れば 彼女は私の事を【璃羅】と呼び、私は彼女の事を【萩原】と呼ぶ
「そりゃ気になるわよ、あの氷の美少女がキスマークだなんて」
萩原はそう言いながら私の腰に手を回し
鏡の中の私を見つめてきた
「…その呼び方やめてって言ってるでしょう?」
氷の美少女…
いつの間にか私についた渾名
陰で言われている分には構わない
けれど面と向かって言われると気分が悪い
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