あの日、あの時

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中からは祖母と父の荒げた声が響いていた そこで私は聞いてしまったのだ 「愛せもしない子を産むからあんな事になったのよ!!」 「元々私は貴方達の結婚には反対だったのよ!!」 「あんな女の産んだ子なんて…誰の子かも分からないわ!!」 「自分の産んだ子を憎むなんて…!」 「あの女に似てきて気持ちが悪い!」 祖母が紡ぎ出す言葉は、直ぐに自分の事だと分かった しかし、あまりの内容に私はその場で動けなくなっていた 母は私を憎んでいた…? ナニヲイッテイルノ…? 私の瞳からは泪など一滴も流れる事はなかった ただ無感情に その部屋に入って行ったのを覚えている
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