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「!!」
バサっとホマレは掛けてあったのだろう、布団をはがし起き上がった。
「ハァハァハァ…」
ホマレは汗だくになって寝ていたようだった。電気も部屋には付いていなくて、窓からうっすらと見えるのは月の光だった。
どうやらホマレは桜の木の下で倒れてから夜までそのまま寝ていたようだった。
すると、ふとホマレは隣を見る。
いつもはホマレしかいないこの個室。だが今日はホマレの隣にアラタ、ミィナが並んでいた。
「…ん?あれ、ホマレくん起きたの?」
ホマレが動いて、隣にいたアラタがどうやら目を覚ましたようだった。
「ミィナちゃん!ホマレくん、起きたよ!!」
ゆさゆさとアラタはミィナを揺すって起こす。するとミィナは目をこすりながら布団から起き上がった。
「ホマレ…気づいたんだ。良かったわ」
ミィナがそう言って布団の上にちょこんと座った。
しばらく二人の様子を見ていたホマレ。ホマレは先刻の夢がとても気になっていた。自分の力が現実の事象を否定する事だと。
それを二人に確かめたかったホマレ。そこで二人にその夢の事を言った。
「なぁ…さっき俺が見た夢で、俺の力は判ったんだ。ただそこである者たちの願いをその力で叶えろって言われて…」
そこまでホマレが言うと急にアラタがホマレの横にくっついてきたのだ。
「あぁ!やっぱり!!ボクも今その夢見たよ!!うわーなんかすごい運命的だなぁ~えへへ~★」
にまぁっとアラタが嬉しそうに笑う。すると今度は後ろからミィナがアラタに抱きついて話しだした。
「そうそう!!同じよ!んー…でもある者が明確じゃないわね。何か起こるっていうのかしら」
「そうじゃないかなぁ?ボクの夢でも何も具体的な事は言ってなかったし」
アラタはいつものように可愛く小首をかしげる。
「じゃぁどう動けばいいのかもわからないじゃないか。どうするんだ?」
ホマレは少し落ち着いたようで、自分の現状にも理解が出来ているようだ。
「そうね、明日起きたら何か変わった事ないか調べてみましょうか」
そういうとミィナは嬉しそうに笑った。それを聞いたホマレは、
「全然具体的じゃねぇな…これで何か自分が判るっていうのかよ…とりあえず俺は水を飲んでくる」
そういうとホマレは個室から出て食堂の方へ行った。
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