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「よぉ。…今お前一人だったか?」
ホマレはアラタに近づいて桜の木の下に座る。
「あぁ、うん。ボク一人だよ。あ、もしかして見られちゃったかな?あははっ★」
いたずらっぽく笑うアラタ。それを見て不思議に思うホマレ。
「あ、でも内緒だよ。さっき見たのは。でも…ホマレくんもボクに似てる気がするんだけどなぁ…」
そういってアラタは指を立ててうーん?と小首を傾げる。
「なんだよ?似てる?そうか?まぁ親から見放されたってのは似てるかもな」
すると今度はアラタが少し悲しい表情をして、
「ボクの場合、お母さんが事故で亡くなってからお父さんに暴力受けてたからなんだけどね」
えへへ、とアラタは悲しく笑う。
アラタはその可愛さ故に父親から受けていた暴力っていうのはそう、性的な暴力だった。
幼いアラタに父親は性暴力を繰り返しているところ、アパートの管理人に見つかって酒浸りの父親からアラタをこの施設に保護してもらうようにしたのだった。
「ちょっとー!私も仲間に入れてよぉ~!!」
ちょっとどんくさいククリはやっと桜の木に辿り着き二人を上から見下ろして
「一緒にご飯にしよう!アラタくん!」
そういってバスケットを二人の前にズズズイっと出した。
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