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「さーて!みんなも揃ったし!じゃあいただきまーす!」
ククリがそう言うと、もうすでにホマレ、アラタは手を拭いてすぐ、もぐもぐ食べていた。
「あ、ははは…」
ククリの一生懸命さは他の三人にとって眩しすぎるのかもしれない。
どう受け取っていいのかも分からなくてククリを無視して進めているかもしれない。
ククリは少々、自分の立場が良くわからなくなってしまった。
すると、ククリが、
「あ、私、コンビニでお茶買ってくるね!先みんなで食べてて!!」
そういうと、ククリは走ってその場を離れた。
そして桜の木の下に三人が残った。
しばしの沈黙。
そこでその沈黙を破ったのはなんとホマレだった。
「つか、さっき女の人影が木の影から見えたのってミィナだったの?」
先刻の話題にホマレが触れたのだ。
確かにホマレの目には一瞬だったが女性の影が見えた。
それにいきなり現れたミィナを見て最初からここにいたのじゃないかと思ったようだ。
するとミィナが少しいたずらっぽく笑って言う。
「ここに現れたのはあれよ。ちょっとしたあたしの能力っていうのかな。私、空飛べるんだ。いいでしょ」
そういってミィナはまたバスケットからサンドイッチを取って食べる。
能力?空を飛べる?
何を言い出すのかと思えば、小学生でも今言わないようなセリフを吐いたミィナにホマレはバカにするかのように
「何言ってる。そんなバカげた事俺たちが小学生だからって舐めて言ってんのか?」
ホマレはため息すら出ないといった表情でそう答える。すると今度はアラタがこんな事を言い出した。
「あれ?やっぱりミィナちゃんてそうだったんだ!ボクもあるよぉ!能力!」
えへへーと、笑いながらまた小首をかしげてアラタが言う。
「は?何?なんの冗談なわけ?お前ら揃って俺をハメようかっていう何かかよ!?」
ホマレは二人に指さして少し怒って言う。だが今度はミィナがアラタに答えた。
「やっぱり!アラタもそうだと思った!実際慣れるまでに時間はかかったけど、あたしもアラタからはそういうオーラ感じてたんだよね」
「でしょ?ボクね、ホマレくんも同じ匂いがするって思ったんだ。この能力が使えるようになってしばらく経つけどそういうのもわかるようになるみたいで」
うんうん、と二人が頷きながらホマレにはわからない事実を突きつけた。
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