【第一話】

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「そ、そういうわけではない! いいだろう、この私が一緒にお昼を食べてやろう!」  私の言葉を聞いた3Pは勢いよく顔を上げる。そんなに嬉しかったのか、彼は体全体で喜びを表していた。 「やったー! 先輩とお昼ー!」  なんというか、よくわからない奴だ。この子なら私といなくても友達ができるだろう。 「先輩はお弁当!? 僕も僕も!」  一年で、しかも男がが弁当だと? と驚愕を受けたが、今では当たり前なのだろうか。 「おかずとりかえっこしよ! おかず!」  おかずのとりかえっこ。初めてするのが男とになるなんて。しかも後輩だなんて。 「あ、ああ、そ、そそそ、そうですな!」  焦って自分でも何を言っているのかわからなくなる。そんな私を彼は目を細めて笑っていた。
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