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寮を出るとすぐ見えてくるのがクルーフェス学園三号館と呼ばれる、私が一番使用回数が多い館。炎術研究機関があったり、図書館があったりする。
ちなみに確か一号館には風術研究機関と錬金室、二号館には地術研究機関と体育館、四号館には水術研究機関と文化棟、五号館には闇術研究機関と法陣研究室、六号館には光術研究室と薬草栽培室があったはずだ。なかなか行かない場所はどうも覚えにくいが、だいたいそんな感じだろう。
そして、それぞれの館にたくさんの教室が設けられ、生徒たちは講義やら実戦やらに励んだり、講義をサボって近辺のダンジョン探索をしたりしている。
まあこれがこのクルーフェス学園の大まかな実態で――
「せんぱーい! オッハヨー!」
後ろから響く大声、浴びる注目。冷ややかな視線。ああ、昨日の今日でこの視線。
「せんぱーいってばー!」
アホ毛をぴょこぴょこさせながら近づいてくるソイツに、私は涙目を隠しながら平静を装った。
「貴様、何の用だ」
私がパーティーを募ったのに何の用だって何だ。しかし私の口はどうも悪いことしか言わないらしい。
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