0人が本棚に入れています
本棚に追加
成長できたかな。
この呼吸の間で、私の中身はどれだけ成長したんだろう。
死んだだけの細胞が生まれて、それ以上の何かは、蔓延る事はできたんだろうか？
外に出た二酸化炭素と、取り込まれた酸素。
私は絶対に今、
過剰な酸素を取り込んだ。
迷惑、あぁなんて迷惑。
もう吐き戻してもそれは二酸化炭素なんでしょう？
なんで私は、需要の多い物ばかり、我先にと取り込んでは、需要の少ないものばかり残して行くんだろう。
ほら、このひと呼吸で、私はどこも成長してないじゃない。
いっそのこと、うっそうとした木々の間の、誰も気に留めないような若い木にこの口を塞がせて、
私の吐く息を、全部、一生、酸素に換えて生きていたい。
そうしたら、あなたを傷つける言葉なんて言えないし、
第一呼吸のしかたすら、きっと忘れるんだから、何も考えなくてすむでしょう？
何がいけないんだろう、なんで駄目なんだろうなぁ。
とどまっていることかしら。
あぁ、そうなのかもしれないね。
とどまっていることがいけない。
歯車のボルトが錆びてしまう。
昔に身を全部浸すのもいけない。
そもそもそれは、今必要な歯車じゃないもの。
サヨナラするの？
それはアナタが決めること。
まだ居ても良いの？
それはアナタが決めること。
混沌。ビー玉の入ったグラスを一気にひっくり返したような。
私はどうすれば、
私は何をすれば。
『…やめてよ。アナタが悩んでる今だって、あなたは二酸化炭素を吐くのでしょう』
最初のコメントを投稿しよう！