逃捜

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放課後。 一人、廊下を歩いていると、誰につけられているような気がした。私が立ち止まると、向こうも立ち止まる。私が歩き出すと、向こうも歩き出す。私は気持ち悪くなって、走り出した。 走りながらちらりと背後に目をやると、変なやつが三つも、私を追いかけているのが見えた。 もっと速く。 そう思って目線を前に戻すと、すうっと、視界の端に、巫山戯た格好の、ピエロみたいな男が表れた。 「ほら、君は今、先頭を走っているじゃあないか」「こんな変なのに追いかけられて、何が先頭よ!!!」「逃げること」「はあ?」「逃げること、だよ。君は逃げることに関してだけは、いつも先頭を走ってる。この世界の他の誰よりも速く。まあ、つまり。君は弱いということだよ」「うるさい!!」「だって本当じゃあないか」「うるさいうるさい!! あたしは、あたしは!」逃げる、逃げる、逃げる。この先には、もう。 ガチャリ 屋上の扉を開けて滑り込んだ。あとからあとから変な奴らがついて上がってくる。 もう、ここから先へは進めない。 「あれが、君が変なのといったあれらは、なんだかわかるかい?」ちらりと後ろを振り返る。やつらはあたしと10mほど距離を開けて、一直線に並んでいた。 「知らないわよ!!」「夢と、希望と、未来だよ」「あんな真っ黒なのが?そんなわけないじゃない」「彼らが真っ黒なのはね。どんな色にも輝ける可能性を秘めているからだよ」「嘘」「本当さ。僕の言葉が信じられないのなら、自分の目で見てご覧よ。きっと輝いて見えるはず。君にその気があるのなら、ね」 私はチラリと背後を振り返った。あの変な黒いものは、相変わらず黒いままで、じっとそこに佇んでいる。 「ダメだよ。もっとしっかり向き合わなくちゃ」 私は大きく息を吸って、ぎゅっと目を閉じた。ステンレスの柵を掴む手が、汗ばむ。ふぅ、と、ゆっくり息を吐き出すと、全身でばっと振り返った。 「......見えた」 あたしの、
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