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―宇宙海賊―
「うわぁぁぁぁ!!」
また別の場所。そこでもまた一機の人型機動兵器が姿を現す。パイロットのまだ若い少年は愛機の手綱を引く。
「ここは!?……地上!?」
姿勢が安定した機体の中で少年はモニターに映る景色と、自らの身体を押さえつける重力に驚く。
「フルクロスのステータスが回復してる……どうなってるんだ!?」
胸にドクロを飾る愛機【クロスボーンガンダムX1フルクロス】の各部ステータスを確認した少年――トビア=アナロクスは戸惑う。
木星帝国の【神の雷作戦】という帝国本国からコロニーレーザーを用いて地球を攻撃する作戦を阻止するために出撃し、発射を許したものの仲間の決死の特攻で地球直撃は免れた。その後、コロニーレーザー内部で帝国の指揮官との一騎討ちの末に討ち果たすものの、フルクロスは大破。次射を放つために臨界するコロニーレーザーから脱出することが出来ず、光に妬かれた筈だった。
その筈が、フルクロスは失った武装まで全て元通りの上、見知らぬ惑星に居たのだからトビアの戸惑いも当然である。
「くっ…GPSも反応無し……。とにかく、情報を集めよう…」
トビアはよく分からない状況に戸惑いながらも、今出来ることをするために動き出す。
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