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後ろから拘束されていた腕が解かれたかと思うと、急に体が反転し、そのまま私の唇に杉田のそれが宛がわれた。
「―――っ!」
咄嗟に杉田の腕を押して距離を取ろうとするが、男の力にそれも儘ならず、噛み付く様なキスに翻弄される。
「ちょっ・・・ん、やめ」
決して受け入れている訳じゃないのに、久しぶりの男の人の熱に体の芯が痺れだす。
元彼に振られて1年間、必死で肩肘張って生きてきたのに、こんな事をされたらまた、孤独という感情が頭をもたげてしまうじゃないか。
あんなに寂しい思いをするなら、私は恋愛なんてもうしない。
せっかくそう普通に思えるまでになったのに・・・。
そう考えたら、私は無意識に杉田の唇に噛み付いていた。
「痛っ・・・」
痛みに顔をしかめた杉田が少し腕の力を弱めた所で、私は肩を思い切り押した。
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