予兆

3/5
前へ
/307ページ
次へ
車参加なので、一度埼玉まで帰らなければならないが、その道中もなかなか楽しい。 とはいえ早朝から活動しているため、眠気が全くないとは言えないが。 「そういえば夏樹~」 半分眠たそうな顔をしつつも、運転手の私に気を使ってか綾が話しかけてくる。 綾は一重だから、余計に眠そうに見える…とは怖くて言えない。 「何~?飲み物ほしい?」 「いや……打ち上げに例の彼女が来てたらどうする?」 「………」 「まだ、切れてないんしょ?」 痛いところを… 4年付き合っていた彼女と別れてすぐの夏コミ後、何を気に入ってか私に声をかけてくれた書き手さんがいた。 その人と…その… ズルズルと身体の関係を続けていた極悪なワタクシ。 「切るといっても、付き合っている訳ではないからタイミングが…ねぇ」 「ま、あんたの事だから好いてくれる人にキツく言えないんだろうけど、長く引っ張るほど酷な事になるから程々にしなね」 「……あい」 「ま、バッティングしたら私が盾になるさー」 「……すまぬ」 さすが…元カノさんです。
/307ページ

最初のコメントを投稿しよう!

196人が本棚に入れています
本棚に追加