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彼女はもう、本当の顔を見せてはくれない。
「化粧やめなよ」
「・・・」
彼女は黙って相変わらず化粧を繰り返している。
「化粧、やめなよ」
語尾を強く、はっきりと気持ちを込めて言った。
「なんで?」
彼女はやっと反応してくれた。
そして疑問に満ちた返答に一瞬だけ固まった。
「だって・・・」
「だって?」
彼女はまた疑問に満ちた言葉を発した。
「あのね、よく見せないといけないんだよ、女性はね、男の人にはわからないだろうけど」
彼女は自重気味に笑った。
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