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『敵の苦手な武器です。お使いください』
部屋に置かれていたのは羊羹だった。
棒状の羊羹。
「ドッキリ決定だな。こりゃ」
誰かが言って、場が和んで。
「羊羹で化け物退治。面白そうじゃん」
「最近のテレビって強引過ぎるわ。慰謝料たっぷり貰わないと」
「馬鹿馬鹿しい。私はさっさと帰らせて貰う」
状況を楽しむ人。
怒る人。
出口を探しに部屋を出ていく人。
反応は様々だったけれど、やっぱり緊張感なんてものは全くなかった。
だって、武器が羊羹だし。
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