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「うッ……うぅッ…う…!」
「大丈夫、大丈夫だよリリー。」
薄暗い倉庫の中で自分の嗚咽が外に洩れないように必死に自分の口を押さえるリリーを守るように抱きしめる。
ガタガタと震えるリリーの目は大きく見開かれ、涙が頬をつたい落ちていく。
僕たちのいる場所は戦場だ。いや、一方的な殺戮だ。
一歩外に出れば見たことのないピッチリとした鎧を見に纏う人間が僕らを殺そうとさ迷っている。顔は不透明な何かで覆われていて見えない。
ゴガァァァァアアアンッ!!
「ヒッ……!」
「な、なに……!?」
物凄い衝撃音の後に、ビリビリと空気が振動する。またどこかで人が殺された。それも近くで。
ガタガタッ……!
ゴンゴンゴン!
「ヒッ……!」
「……ッ!!」
扉が誰かに叩かれている!見つかった!?
「あっ開けてくれぇ!!敵じゃない!早く開けてくれ!」
「み、味方…なの……?」
「わ、わかんない…。」
「早く!開けてくれよ!アイツがくる!殺される!いっイヤだ!来るなッ!来るなぁぁぁああッ!ぎゃぁぁああぁぁぁッ…………。」
外の声がピタリと聞こえなくなった。まずいまずいまずいまずいまずいッ!敵に居場所がバレた!
「クソッ!」
「もうッもうイヤよぉ…。なんで私たちがこんな目にあうのよぉ…イヤよッ死にたくないッ!死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない…。」
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