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侍の国、僕たちの国がそう呼ばれていたのは――――、
「残念、ここは魔法の国だ。」
この世界に生まれて早くも15年。私は初めて魔法の国であることを知った。遅すぎじゃね?
妙に田舎だなー、文明の機器がないなーおかしいなー、緑がキレイねーとか思ってたら、まさかの別世界とか泣けてくる。物心ついてすぐのときに必死で自分のニュースを新聞で探そうとした自分に同情するよ。
そしてなんと、そんなことよりも遥かにビックリな大事件です。天地がひっくり返るくらい。
今世男に生まれた私。名前は雷光。ポケモンじゃないよ。
またに聖剣エクスカリバーが付いてたときは思わず股間押さえたまま固まってしまった。今では良き思い出よ。
そんな私は…じゃなくて俺は今、親父に連れられて家の地下に来ています。広い家だとは思ってたけど地下があるなんて初耳だ。
「雷光、お前はもう15だ。」
「はぁ。」
「もうお前にも教えていい頃だと思ってな。」
「え、別にいいです。」
「…ゴホン。」
「あ、さーせん。つい本音が。」
「…なんで今まで俺がお前にありとあらゆる武術を教えてきたか、考えたことはあるか?」
「はい、実はこの家道場だけど、門下生が全然集まらないから息子育てて虚しさを埋めているんだと思ってました。」
「違う。」
「あ、違うんだ。」
「この里は忍の隠れ里だ。」
「…はい?」
「そしてこの二ノ宮家は代々この里の頭領を勤めてきた。」
「あーきこえないー。」
「ふざけるのも大概にしろ。」
「ふざけるのも大概にして、俺は常に真面目ちゃん。」
「はぁ…もう話はわかったと思うが、次の頭領はお前だ。」
「…………。」
「後ろを確認するな!」
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