記憶にございませんッ(朝チョコ)

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「だって、さぁ……」 私、帰るとこない。 お父さんとお母さん、私のこと置いて、引っ越しちゃった。 私、実家、行ったことない所になっちゃったんだもん。 「…………寂しいじゃんか~」 だから、ここで寝るの。 哲がいるとこに、いる。 そのまま、哲の足指を掴んだままの私は。 ひっく、と。 しゃっくりとも嗚咽ともつかないような声をあげて、ほろりと涙をこぼすと、再び、寝息を立て始めた。 ………らしい。 チョー恥ずかしいよ私。 「…明日、車貸すよ?」 「……お前も来る?」 「いいじゃん、ご両親にご挨拶、ってやつしてくれば」 「………あらかた済んでるし」 蜜がここに越してくる時、済んでる、内緒だけど、と。 哲は私を抱え上げて、自分のベッドに、放り込んだ。  
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