記憶にございませんッ(朝チョコ)

10/11
1109人が本棚に入れています
本棚に追加
/563ページ
翌朝、早くに目覚めたところからは、ちゃんと記憶がある。 私は何故か………いや、そういった経緯で、哲のベッドで寝ていて。 裸族なのか、いつもパンツ一枚で寝るらしい真ちゃんは、裸の肩を晒して、自分のパイプベッド。 哲は、床に……転がっていた。 「…………」 「……蜜」 起きたなら…どけ、と。 半分眠ったままなような哲にそう言われて。 私はひどく、取り乱した。 「………ご…ごめんなさい?」 「…その通り」 あわあわと哲のベッドから降りて、かわりに哲がよじ登るのを見届けてから、ふと開いた携帯に。 “10時になったら海に行くので支度すること” と。 目の前で布団にもぐりこむ哲から、メールが来ていることに、気が付いた。 受信は、午前1時。 どうして急に海に行くのか、よくわからなかったけれど。 その日、私は。 海と山に挟まれた、父の生まれた土地を、初めて訪れた。 お母さん、お母さん、と。 やたら懐く真ちゃんに、完璧に引きながらも、哲は。 夕方、迎えにくるから、と。 ゆるりと、笑った。 ……もうね、私。 お酒は飲まないようにしようと思うよ……。 色々、最悪だよ私…。 ~終わり~  
/563ページ

最初のコメントを投稿しよう!