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宇田川章介が本家にひとりで乗り込んで来た、と。
ざわり、ざわりと空気が殺気立つ。
常にはなかった、不遜とも取れる物言いと。
由紀の父による、暴力を伴った激しい叱責に。
両膝両手をしっかり床につけたまま、視線ひとつ俯かなかった、生意気な態度。
面白そうに頬杖を突いたまま眺める、笠島龍司が。
…そうか、由紀の惚れた男はお前だったか。
くつくつと愉しそうに笑いながら。
お前、今から俺に付け、と車のキーを投げ渡すまで、あと 20秒。
そんな、おおよそ20年前の、ベタで熱い、恋物語。
~終わりw~
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